地元桑名で五十年
時は1970年、高度経済成長期の末期。初代である父が、地元桑名で塗装店を創業しました。翌年にはニクソンショック(金ドル交換停止)、3年後には第一次石油危機が起きた、そんな波乱の時代でした。当時の水谷塗装店は、大手ゼネコン会社などからの案件を中心に仕事を行ない、職人も10人以上を抱える規模にまで成長していました。
倉庫の中で鉄骨などを夜通し塗装したり、一度塗った大型船舶を再度一から塗り直したり…。大変なことも多かったですが、全員が一丸となって無我夢中で仕事に取り組む日々でした。
また、二代目の私自身は、100年続く老舗の塗装専門店でも修行をさせてもらいました。そこは、官公庁や一部上場企業とも長年取引があるだけでなく、一般のお宅からも直接ご依頼を頂くような素晴らしい会社でした。そんな会社で経験を積ませて頂いたことで、老舗がなぜ老舗になりえたのか、いかにコツコツと信用を積み上げることが大切か、そして直接お客様とやりとりをする現場の楽しさを学ぶことができました。
そうした中で、創業時からの職人魂は受け継ぎつつも、私の代では100%直請けで、桑名周辺のお宅の外壁・屋根の塗り替えを行うようになりました。訪問販売のように、場所を変えて転々とするのではなく、地元密着で1件1件コツコツと丁寧に。営業会社のように工事を丸投げするのではなく、営業から施工まで責任を持って自社の職人が行う。そんな塗装道を貫きながら、100年企業を目指して歩んでいます。